植物生態データ構成の案

 植物データの項目構成案です。意見やあったらよいという項目について下記のフォームメールでお寄せ下さい。
 項目によってはすでにかなり分かっていたり、種によって分かっていたり、全然分かっていなかったりと様々だと思いますが、とりあえずこんな項目構成を想定しています(こんなにたくさん埋まるわけねーって言われ相ですが、少しずつでも...)。それぞれのカテゴリーの分け方などは考え方や利用目的によって大きく変わってくるため、議論あるところですが、ここでは大まかなタイプ分けをすることを目的としています。
 背景が赤い部分が主に情報を集めていきたい項目です。情報蓄積の意味がありそうなところです。「型」は各項目の取り扱い水準を示します。「固定」は変化しない項目、「決定」は情報によってほぼ一意に決まっていく項目、「確率」は情報の蓄積によって徐々に決まるが一位に定まるとは限らない項目です。
 植物は種数が多く、分類学者によって種のラインナップがかなり異なってしまうという問題があります。このデータベースは分類や地理変異の問題について深く扱うのが目的ではないので、「北海道高等植物目録」に準拠しつつ、なるべく細分化しすぎない種リストを独自に作って取り扱うことにします。分類上の問題への対応については、(株)野生生物総合研究所のデータベースECPLANTの分類コード利用することで調べられるようにしたいと思っています(学名・和名の対応、文献が確認できる)。
 本データベースはなかなかややこしそうなので、もっと気楽な情報収集用データベースもつくってみたいと思っています。種名と情報(観察・文献・写真・ウェブなど)と情報源だけの簡単なものです。こちらも意見よろしく。
●謝辞...生態情報項目については田中肇さん(花粉学会・ナチュラリスト)にお世話になりました。また種/分布の整理・ECPLANTについては日野間彰さん(北海道植物友の会)にお世話になりました。特にお礼申し上げます。以下の文献を見ると参考になります。
 ・田中肇(1997)花と昆虫がつくる自然.保育社(エコロジーガイド).
 ・伊藤浩司・日野間彰・中井英樹(1985)北海道高等植物目録(I-IV).たくぎん総研.
 ・日野間彰(1993)北海道植物データ処理システムについて(その1).ボタニカ9:22-28.

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項目名 内容(カテゴリー) 例1
種コード 調査館独自コード(ECPLANTコード・環境庁コードへの対応表つき) 固定  
和名 その植物の標準和名、全角カタカナ(参照用) 固定 ヤブジラミ
科名 その植物の科名、全角カタカナ(参照用) 固定 セリ
道内分布 大まかな分布傾向
  1 全道    2 道東   3 日本海側
  4 南西部   5 道南   6 特定地域
  9 なし(植栽)
決定 1
生活型 基本的な生活型+生活階層
  1 高木(樹冠を構成する)
  2 低木(10m以上にはならない)
  4 潅木(草本と同じ位置にいる木本)
  5 つる木本 
  6 多年草   7 越年草  8 一年草 
  9 つる草本  0 その他/シダ
固定 6
生産型 草本のタイプ分け
  0 緑葉なし/寄生・腐生
  1 根出葉のみ   2 小型 地上茎50cm以下
  3 小型+根出葉  4 高茎 地上茎50cm以上
  5 高茎+根出葉  7 浮水葉 
  8 浮水葉+水中葉  9 水中葉
固定 2
繁殖回数 生涯で繁殖する回数(年数)
  1 1回(一稔性)  2 多回  0 不定
決定 2
生産季節 葉をつけて生産活動をしている時期
  1 常緑  2 夏緑  3 冬緑
固定 2
生育地1 基本的な環境一択【林 縁 草 湿 岩 砂 荒 高 水】 決定
 林内
 林縁
 草地
 湿地
 岩地
 砂地
 荒地
 高山
 水中

河畔林含む



海岸など
雑草地など
高山帯      【生息環境に1】
水上含む
確率 2
2
0
0
0
0
0
0
0
主要繁殖型 もっとも子孫を残すために行なっている繁殖
  1 無性  2 自殖(三倍体含む) 3 他殖 
決定 3
性表現 個体の性の組み合わせ
  0 無配生殖 
  1 両性花   2 両性花異型(異型花柱)
  3 雌両同株(雌花と両性花) 
  4 雄両同株(雄花と両性花)
  5 雌雄同株(雄花と雌花)
  6 雌雄異株(雄株と雌株) 
  9 その他 
決定 1
自殖回避手段 自殖(自分の花粉で受粉する)を回避するための方法
  1 自家不和合(生理的)
  2 雄性先熟(両性期あり)
  3 雌性先熟(両性期あり)
  4 雄性先熟完全(両性期なし)
  5 雌性先熟完全(両性期なし)
  6 異型花柱   7 雌雄異花  8 雌雄異株
決定 0
無性生殖手段 種子以外に子孫を残す方法
  0 なし   1 萌芽(株分け)
  2 地下茎  3 鱗茎  4 走出枝
  5 むかご  6 無配生殖(有性だが便宜的に)
決定 0
花の時期 旬単位で主な時期 確率 0620-0820
開花年次 一個体が開花する年次のサイクル
  1 毎年  2 隔年以上  9 不定
決定  
開花同調・個体 個体内での開花の同調性 決定 0
開花同調・群落 個体群内での同調性 決定 0
花の数 1花序あたりの花数=花序のタイプ
  1 単花   2 数個   3 頭花
  4 穂型集合花   5 皿形集合花
決定 5
個体花数 平均推定花数 確率 100
同時開花数  1 単花  2 複数花 決定 2
花の形   0 閉鎖花  1 皿型(露出型)
  3 浅筒型  4 深筒型  
  5 管型(ブラシ・長蕊・細管)
  7 仕掛型(はいこみ・旗状)
決定 1
閉鎖花   決定 0
花の深さ 蜜までの距離mm 決定 1
花の大きさ 長径mm 決定 2.5
花の向き   1 上向き
  2 斜め上または上・横が混ざる
  3 横向き
  4 斜め下または横・下が混ざる
  5 下向き
決定 1
花の報酬   1 花蜜あり  2 花粉あり  9 報酬なし 決定  
花の色   0W 白  1RP 赤紫  2BP 青紫  3DB 濃紺
  4WC 水  5G 緑  6LG クリーム  7Y 黄色
  8LR 淡紅色  9R 赤
決定 0
主要花粉媒介者   1 マルハナバチ長舌  2 マルハナバチ短舌
  3 ハナバチ類  4 ハナアブ・ハエ
  5 チョウ・ガ類  6 甲虫類
  7 風  8 水  9 自動(同花受粉)
確率 4
訪花頻度 平均訪花数(/1花・1時間) 確率 12.0
訪花マルハナ率 マルハナバチの訪花率 確率 0.0
訪花−
 長舌マル
 短舌マル
 ハナバチ
 スズメ蜂
 アリ
 ハナアブ
 チョウ
 ハナムグ
 カミキリ
    1.送粉、2.送粉?、3.訪花、9.盗蜜
長舌マルハナバチ
短舌マルハナバチ
小型ハナバチ
スズメバチ類
アリ類
ハナアブ・ハエ類
チョウ・ガ類
ハナムグリ類
ハナカミキリ類
確率
0
0
2
0
3
2
0
0
0
訪花者リスト 「種名(文献または確認場所)」の列挙 確率  
結果率 果実になった花の割合 確率  
結実率 稔実種子になった花の割合 確率  
袋がけ結果率 袋がけしたとき(同花受粉) 確率  
袋がけ結実率 袋がけしたとき(同花受粉) 確率  
強制他家受粉 他花の花粉を強制的に受粉させたとき 確率  
個体果実数 個体あたりの平均果実数 確率  
果実種子数 1果実あたりの平均種子数 確率  
豊凶性   0 不明  1 毎年  2 隔年  3 周期 確率  
果実の形   1 液果−漿果  2 液果−多肉果
  3 乾果−堅果  4 乾果−翼果
  5 乾果−朔果
決定  
果実のトゲ   決定  
果実の大きさ   決定  
種子の大きさ   決定  
果実の重量   決定  
種子の重量   決定  
実の色   0W 白  2BP 青紫  3DB 濃紺・黒
  5G 緑  9R 赤
決定  
主要種子散布形態 主な種子散布者と方法
 1 哺乳類貯食型  2 鳥類貯食型
 3 アリ貯食型  4 哺乳類経口型
 5 鳥類経口型  6 動物付着型
 7 風  8 水  9 自動  0 重力
確率  
散布−
 ネズミ
 小動物
 鳥類
 アリ
 自動
  確率  
子葉性 双葉が地上に出るか  1 地上 2 地下 決定  
種子休眠性   1 する  2 しない 決定  
種子発芽時期   1 秋発芽  2 春発芽  9 不定 決定  
種子散布距離   確率  
光補償点   確率  
クチクラ層の発達   決定  
毛の量   決定  
展葉様式   1 順次  2 一斉  3 順次+一斉 決定  
葉捕食者 種名など 決定  
種子捕食者 種名など 決定  
忌避物質 草食動物の忌避の有無 決定